「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」レビュー

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会社に勤めていたときのこと。

SNSでのPR文章を、一部担当することになりました。「文章が上手だから」という理由ではなく、私がSNSでのアプローチ方法を提案したところ、「それじゃ、あなたに書いてもらおう」ということになったのです。正直、文章は苦手なのですが…(絵を描く方が得意)

ブログの文章が下手だったとしても私個人のことで済みますが、会社公式の文章を書くとなってはそういう訳にもいきません。

「少しでも上手く書けるようにならないと…」と思い、文章の勉強をするとに。

ネット検索して、Webライターの方(下記)がおすすめしていた本「新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」(唐木 元:著)が、文章を書くことに苦手意識のある私に向いていそうだったので、とりあえず購入してみることにしました。

新しい文章力の教室の画像

〈フリーライター*マツオカミキのブログ〉 ※別サイトです。

Webライター厳選!ライティング上達にオススメなノウハウ本15選【レベル&目的別】

「新しい文章力の教室」はWebライターおすすめというだけあって、「バイブルにしよう!」と思ったほど文章の勉強になる本でした。

私のように文章に苦手意識があって「基礎から学んでみたい」と思っている方に、ぜひ読んでもらいたいと思ったのでレビューします。

本の内容は?

著者の唐木氏は、ポップカルチャーのニュースサイト「ナタリー」(…すみません、見たことはありません)で、マンガと物販サイトの編集長を努めていた方です。編集長の仕事以外にも携わっていたのが、新入社員向けの「文章トレーニング」

「新しい文章力の教室」は、「文章の素人」から「ライター」へと育てるための「文章トレーニング(通称「唐木ゼミ」)」をまとめた内容となっています。

◆「文章を書く前の準備」から教えてくれる

私は文章を書くこと中で、特に「書き出し」が苦手です。

「書きたいことは何となくあるけど、どうやって(またはどこから)書き始めようか…」というのを、よく悩んでいました。

「新しい文章力の教室」では

  1. 文章を書く前の準備
  2. どのように文章を構成すれば良いのか
  3. 読者にとって読みにくい文章を改善するには
  4. 文章の完成度をさらに上げていくためには

というように、内容※が徐々にステップアップしていきます。

※上記は本の内容を要約していています。目次ではありません。

「書く前には準備が必要」なのに、それをしないで書き出そうとしていた私が「上手く書けない」のは当然のことだったのです…。

◆「完読される文章」を目指す

「新しい文章力の教室」では

完読される文章が良い文章

と設定しています。

私は今まで、「誤字・脱字が無いか」「言い回しが間違っていないか」という部分に気をつけながらブログを書いていましたが、「読み手にとってストレスなく、最後まで読んでもらえるのかどうか」という部分については、全く気を配っていませんでした…。

「新しい文章力の教室」では「読み手を完読へ導くため」として、文章を書くうえでの一般的なルールやテクニックの説明をしています。

単に文章の書き方のルールやテクニックだけを学ぶよりも、「完読してもらうために、どう書けば良いのか」と読み手のことを考えながら学ぶ方が、内容が頭に入るように感じました。

◆例文(原文から改善文)の説明が丁寧

「新しい文章力の教室」が新入社員向けの文章トレーニングを元にしているからだと思いますが、説明がとても丁寧で分かりやすいです。

文章の良い例・悪い例では

原文(改善前)だと読み手はこう感じる→何に気をつければ良いのか・どうするべきか→こう改善すると読み手に伝わりやすい

といった感じで、「例文(改善前・後)とちょっとした説明」だけで終わっていません。

説明が丁寧に書かれているので、もしかすると他の文章上達本に比べて例文が少ないかもしれませんが、「なぜそう書くのがダメなのか」というのが納得できれば、例文が少なくても応用が効きます。

文章を書き慣れている人からすると「そこまで説明しなくても…」と思うかもしれませんが、文章を書くことに苦手意識のある私にとっては、ちょうど良い丁寧さでした。

本の感想、まとめ

「新しい文章力の教室」を読み終えてまず感じたのが、「文章が苦手な私でも上手くなれそう」という期待感です。

昔から読書感想文や作文が苦手で「自分は文章より絵が得意だから、それでいいや」と諦めていたので、「文章が上手くなれそう」と思えた瞬間に、文章を書くことへの苦手意識が消え、自分の可能性が広がった気がしました。

◆テクニックだけの内容ではなかった

この記事の始めの方で書いたように、私がこれまで書いてきたブログの記事は「読み手」がどう読んでくれるのかを意識していませんでした。よっぽど変な文章でなければ、ブログを訪れてくれた人は最後まで記事を読んでくれていると思っていたのです。

ですが私はというと、人のブログや雑誌の記事を読んでいて、少しでも読みにくかったり、タイトルと内容がズレていたりする(期待していたのと違う)と、すぐに読むのを止めていたんですよね…。

当然、私のブログでも同じことは起こっていると思います。

「完読される文章」という目標が掲げられ、自分のことを振り返ってみて、読み手を完読へ導くことの難しさに初めて気づきました。

「完読される文章が良い文章」という言葉に出会っていなければ、読み手のことに気づかず、文章を書くうえでのルールやテクニックを覚えることばかりに気を取られていたかもしれません。

◆「文章トレーニング」を疑似体験

私は普段本を読まないので、本を読むことに(しかも勉強に関する本だと)少し苦手意識があるのですが、「新しい文章力の教室」では「読むのがしんどい…」と感じることは一度もありませんでした。

著者が文章のトレーニングを行うくらいなので「読みやすい文章で書かれている」ということもありますが、それ以上に「本で勉強している」というよりも「講義(文章トレーニング)を受けているような気分で読めた」からだと思います。

「新しい文章力の教室」は文章のルールやテクニックに関して項目が細かく分けられ、1項目ずつ丁寧に説明されているので、各項目がそれぞれ講義のように感じられます。

また、著者が読者に対して「こう改善したから、改善文の方が良いと思いませんか」と確認したり、著者の体験談を織り交ぜながらの説明があったりして、単なる教材の文章ではないあたりも「講義を受けているような気分」になった理由だと思います。

◆見やすいデザイン

新しい文章力の教室の中身

各ページのデザインは、重要な部分は太字になっていたり、例文の注意部分には帯(マーカー)が付いています。テキスト系の本ではよくある表現ですが、使用している色が黒と青だけなので、パッと見で要点や注意する箇所が分かりやすくなっています。

この本が「要点が分かりやすいデザイン」だったことも、一気に読めたことに関係しているかもしれません。

それからこれは個人的な好みの話ですが…

私は普段本を読まないため「文字ばっかり」だと飽きてしまうので、多少でもイラストが入っていると「読む気」になります。

「新しい文章力の教室」では項目の要点部分や、その他適度に可愛いイラストが入っていて、文章の読みやすさ・分かりやすいデザインと相まって、最後まで「読む気」が尽きませんでした。

◆「私でも文章が上手くなる可能性がある」と感じた理由

「文章が上手い」とは、小説やエッセイのように「色んな言葉(表現)を使って個性的な文章が書けること」で、そういう文章は才能が無いと書けない…と、私は思っていました。

私は昔から文章が苦手だったので「文章の才能は無い」と諦めていました。ですが「新しい文章力の教室」では、「完読される文章」を目指すので、才能は必要ありません。

私は小説家やエッセイストになりたい訳ではなく、「今より少しでも文章が上手く書けるようになりたい」と思っているだけなので、「完読される文章」を目指すので十分です。「新しい文章力の教室」で勉強すれば私でも書けるようになれるはず。

でもゆくゆくは、「読みやすい」だけでなく、ちょっとは文章にオリジナリティが出せたら良いな…とは思っています。

著者は本の中で下記のように言っています。

 書き手が違えば切り口もドラスティックに変わっていくものです。

同じことについて記事を書くにしても、書く人によって着目点は違うので、著者はそこに「オリジナリティが宿っている」としています。

色んな言葉を使ったり独特な雰囲気の文章を書いたりするだけが、オリジナリティの出し方ではなかったんですね。

WEBライターの方がおすすめしていたのがきっかけで、今回手に取った「新しい文章力の教室」。文章テクニック以外にも学ぶことが多く、「出会えて良かった!」と心から思えた本でした。

できれば、学生の時に出会っていたかったですね。この本があれば、読書感想文や小論文がもっと楽に書けていたのは間違いないです…

この本を読んだからといって、いきなりスラスラ書けるようになった訳ではないし、本を読んだ以降に書いた記事が、全て完読されるようになった訳ではないと思いますが…「完読される文章」という、ひとつの基準(目標)ができたのは良かったと思います。

私のように「文章が苦手」と思っている方の参考になりましたら幸いです。

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 ※本を購入後、Kindle版も購入しました。これで家でも外でも、いつでも読めます。


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