この度の大阪府北部における地震により、被災されました皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
2018年6月18日の「大阪北部地震」について私のまわりでの被害状況や、備えていたこと、愛猫と避難する場合についてのことなどをまとめました。
この記事が防災について考えたり、見直したりする際のきっかけや参考になればと思っていますので、少し長くなってしまいましたが、よろしければお読みください。
地震発生時の揺れの様子などについてはこちらの記事にまとめています。
大阪北部地震の被害は
◆我が家(尼崎市:震度5弱)の場合
【家の中】
揺れは大きかったのですが、たくさんのものが落ちたり倒れたり、移動や破損するようなことはありませんでした。
低い位置にあったのですが、安定が悪い状態で置いていたものはいくつか落ちていましたが…「部屋がぐちゃぐちゃになった」ということは全くありません。
近所の人は「額縁が落ちてガラスが割れてしまった」と言っていましたが、それ以外は特に被害はなかったそうです。
【家の外】
地震が収まって外に出てみたところ、全く何も変わらない、いつも通りの風景でした。
この日は「ごみの日」だったので、とりあえずごみを出したのですが、ほぼいつも通りの時間にごみ回収車が来ました。
いつもと変わらない風景だったので、「さっきの揺れって、夢だったのかな…」と思ってしまいました。
【電気・ガス・水道】
電気・水道は一時的にも止まることはありませんでした。ガスは緊急停止していましたが、自分で復旧動作をすればすぐに使える状態でした。(市内別の地域で止まっていたところもあったようです)
ちなみにガスは普段から使ったあとに元栓を閉めているので、こういうときに慌てて外に出ることになっても「閉め忘れた!」ということがないと思うので、習慣にしておいて良かったと思いました。
◆実家(豊中市:震度5強)の場合
築20年程の実家は、建築メーカーが「震度7に1回は耐えられる」と言っていたので、今回の地震で倒壊するような被害は出ていないと思っていました。
ただ、棚が倒れたり食器が割れたりなど、家の中がぐちゃぐちゃになっているのではないかと思い実家の様子を聞いたところ、「食器棚とタンスが横に動いたくらい」ということでした。食器棚は結構大きくて重たいのですが、10cmも動いたそうです。
今回の地震は横揺れだったので、ものが動いたりしている場合は同じ方向に移動していたようですが、もし食器棚が横(左右)ではなく前後に動いた場合、食器棚には観音開きの扉があるので開いて食器が落ちていたかもしれません。
実は「阪神・淡路大震災」のとき、当時家にあったのは引き戸の食器棚だったので、戸が開くことなく食器は全て無事でした。それなのに、引っ越してから購入したのは観音開きの食器棚…。
こういうことがあると、やはり観音開きの食器棚は心配になります。
◆同僚の家(茨木市:震度6弱)の場合
同僚で震源地に近い茨木市に住んでいる人がいて、同僚の中では一番被害を受けていまいた。
聞いた話は以下のとおりです。
- 地震当日はライフラインが全てストップ
- 水や食料の調達にコンビニに行くと、何も無かった
- 避難所に行くと水(ペットボトル)などの支給があった
- ガスは地震翌日まで使えなかったので、朝に急いでシャワーを浴びて出社した
大きな被害があった場所だけに、地震の翌日は元気に出社していたので本当に良かったと思いました。
地震の備えは
避難袋
我が家の地震の備えは、「東日本大震災」のあとに購入していた避難袋のみです。
避難袋は非常食や水、手回し懐中電灯(充電機能付き)や軍手など「とりあえず必要そうな一式(一人分)」がリュック付きで売られていました。実際にこれで避難をしたことがないので、内容が十分かどうかはわかりません。
「何も用意していないよりは良いだろう」と思って購入していたのですが、今回の突然の地震で「とりあえずでも、買っておいて良かった」と思いました。
地震が起こってから用意していては、次また来るかもしれない地震に間に合わないかもしれません。
私が購入したものとは少し内容物が違いますが、大体こんな感じの避難袋です。
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水や食料
避難袋に入っているのは「必要最低限」の量です。ライフラインがストップして3〜7日間を自力で何とかしようと思ったら、全く足りません。
私は普段から「買ったものを忘れやすい」ので、あえてストックを少なくしていました。そのため、地震当日は非常食になりそうな缶詰やレトルト食品が無い状態。
水に関しても、ペットボトルの水を使うことがないので、家には全くありませんでした。
「ストックが少なくて管理が楽」と思っていたのですが、地震(災害)のことを考えると、備えを重視した方が良い気がしてきました…。
「ローリングストック法」について
普段から災害に備えるためにできるのが「ローリングストック法(一定量の食料などを備蓄しながら、使う→補充を繰り返す)」ですが、私は知っていたのに「買ったものを忘れやすい」という理由から実践していませんでした。
今回の地震で、私の住む地域では水や食料が不足することは無かったから良かったのですが、現状の備えは十分ではないと実感。
今後また大きな地震が来たときのためにひとまず水や非常食の買い足したので、これを機会にローリングストック法を取り入れていくことにしました。
思い立ったときに買っておいた避難袋のように、いざというときに慌てたり心配することがないよう、日頃からできる備えを実行する必要があると思ったのです。
左は購入した避難袋、右は旦那さんの山登り用リュック。避難用品を2人つに分けて入れて、現在は玄関に待機させています。
地震のとき、ペットの避難について
◆避難準備
「東日本大震災」のあと、愛猫2匹の愛猫の避難については以下の準備はしていました。
- 持ち運びが楽な、紙製の軽い猫砂
- 飲み水を入れたりする用に、シリコン製の折りたたみ容器
- ペットシーツ数枚
- キャリーケースの買い替え
猫砂
いつも使っているもの(パインウッド)は重くて避難の際に持ち出すには向いていないので、軽い紙製を用意しています。実は「折りたためるトイレ」を買う予定でいたのですが、すっかり忘れていて今に至ります…。
猫トイレは、段ボール箱や大きめのビニール袋に猫砂(またはちぎった新聞紙)でも代用できるようなので、どちらにしてもトイレにできるものを用意しておく必要がありました。
シリコン製折りたたみ容器
持ち出す際に、少しでもコンパクトになるモノの方が良い思って100均で買いました。
キャリーケース
東日本大震災のあとで愛猫たちとの避難をどうするかをネットで調べていたときに「避難所では重ねて置けるキャリーがあったほうが良い」という意見を見かけました。
避難所はたくさんの人々が避難生活をするので、ペット用のスペースも限られていて、キャリーケースを積み上げていたようです。
それまでは私は「見た目が可愛いから」という理由で、カゴ風デザインのドーム型ものを持っていました。これは重ねて置けません。
そこでネットで調べて、丈夫そうで積み重ねられるキャリーがあったのでそれに買い替えました。また、新しいキャリーは普段から寝床としても使うようにしておきました。
私が購入したのはこちらのキャリーケースです
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私がキャリーを使うのは、ほぼ病院に行くときだけです。「キャリー=病院」となると、いざ避難のときにキャリーに入れられた愛猫たちが、かなりストレスを感じてしまうかもしれません。普段から入っていれば、避難のときのストレスが少しでも軽減されるかも…と思って、寝床にしています。
洗濯ネット&リード
これは以前から病院へ連れて行くとき用に使っているものですが、避難にも使えます。
洗濯ネットに入れたうえでキャリーに入れれば、キャリーのフタがふいに開いてしまっても愛猫が飛び出すことはなく、愛猫が嫌がる場合でもキャリーへの出し入れがスムーズに行えます。
リードは、洗濯ネットから出す際に飛び出さないように「保険」として付けるのですが、緊急を要する場合は洗濯ネットだけに入れるかもしれません。
フード
避難用としては置いていませんでした…。とっさに持ち出すなら、小袋でも用意しておくべきですね。
◆地震が起こったときの対処
- 家に被害がなく、ライフラインが止まった場合は自宅で生活
- 家に被害がある場合、旦那さんの車で避難生活
- 車にも被害があった場合、実家が無事なら実家へ行く
- どこにも行けない場合、避難所へ行く
私は被災してもすぐに「愛猫と一緒に避難所へ」と考えていません。
犬や猫が苦手または嫌いな人は少なからずいるので、安易に避難所へ連れ行けないと思っているからです。また、愛猫たちのストレスを考えると、ギリギリまで避難所へは行かないつもりでいます。避難所へ行くのは最終手段です。
避難する場合も、避難袋(非常食・水など)だけでもそれなりの重さがあるので、ペット・ペット用品(フード・トイレ用品など)を運ぶとなると、ひとり1匹を運ぶのがやっとな気がしています。
1匹は腎不全のため、ペット用品以外に点滴の輸液袋や針などもたくさん必要です。徒歩で避難する場合は、全てを持ち出すことはできないかもしれません。
さらに、「避難先でも点滴がちゃんとできる状況なのか」「甚大な被害があった(避難生活が長引いた)場合、腎不全用のフードや点滴は確保できるのだろうか」「私ひとりの場合、2匹とも連れ出せるのか」…と、色々考え出したらキリが無いです。
実際に避難するとなった場合、「人間だけ」に比べて「ペットと一緒(しかも病気の子がいる)」というのはかなり難しいだろうと覚悟はしています。
緊急地震速報に思うこと
緊急地震速報は大きな揺れが来る数秒前に鳴るようですが、今回の地震では震源地から近かったためか、残念ながら大きな揺れが来てから鳴りだしました。
揺れを感じて地震だとわかっても、すでに大きく揺れている状態では恐怖が先に来て、次に取るべき行動がすぐにわかりません。
「地震がくるのを数秒早くわかったくらいで、あまり何もできないのでは?」と思うかもしれません。実際、私もそう考えていました。
しかし、以前仕事中に緊急地震速報が鳴ったとき、私は「地震が来る!」と身構えることができました。
「たった数秒前でも、揺れが来るとわかって身構える」のと、「突然揺れが来て頭が真っ白になる」では、次に取る行動に大きく影響します。頭が真っ白になると、本当に身動きが取れません。
棚が倒れてくる、モノが落ちてくる、家が倒壊する…そういった身の危険を数秒でも前に予感できれば、怪我を最小限に抑えたり、生き残れたりする可能性になると思うのです。
地震予知は非常に難しく、地震が起こってから発信される速報の精度を上げるのも簡単なことではないと思いますが、このシステムが導入されていることには非常に感謝しています。
今回の地震をうけて
地震はいつどこで起こるかは本当にわからないので、今回改めて日頃の備え(心づもり)が大事なのだと痛感しました。
◆家族と連絡をとる方法の見直し
LINEができない家族と、緊急で連絡をとる手段は電話だけです。
しかし、地震直後には当たり前ですが通じず…今後は「災害用伝言ダイヤル(171)」を使って連絡を取ることを父に提案しました。
このサービスは結構前からあった(1998年3月31日よりサービス開始)のですが、私が認識したのは「東日本大震災」のときに、何度もテレビCMが流れていたのを見てから。
でも、家族でこれを使うという話し合いは、一度もしたことがなかったんですよね…。
「災害用伝言ダイヤル(171)」について詳しく知らなかったので調べたところ、このサービスを体験利用できる日があることを知りました。
せっかくのサービスも使い方が分からないと、結局連絡が取り合えないので、予行演習が必要かもしれません。
〈NTT東日本〉※NTT西日本でも案内は同じです
◆はぐれたときの待ち合わせ場所
地震があった日の夜、旦那さんから「もしお互いが別の場所にいて家に帰れない状況になった場合は、どこへ向かうか決めておこう」と言われました。
家が大きな被害を場合は避難所へ向かうしかありません。
ですが、どこの避難所へ行くかを決めておかないと、LINEや電話でも連絡が取れなくなった場合、再会が難しくなると思います。
「いざというとき」はいつ来るかは分からないので、思い立った時に決めておいた方が良いです。
最近はSNSなどで、テレビだけでは分からない地震の被害や状況を、よりリアルに知ることができます。
それらの情報は、実際に被災したことがない私にとって非常に参考になっています。
今回の私の体験も、少しでも誰かの役に立てば幸いです。
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