記事をまとめている間に、すっかり月日が流れてしまいましたが…自分自身がこの経験を忘れてしまわないためにも、ここに記録しておこうと思います。
2018年9月4日、近畿を直撃し、各地に大きな被害をもたらした「台風21号」。この台風で私は、1日以上に渡る停電を初めて経験し、改めて災害に備える大切さを感じました。
私の経験が災害への備えや、災害に遭ったときの対処の参考になればと思いまとめましたので、よろしければお読みください。
【初めて停電を経験「2018年 台風21号」】(この記事です)
台風前日〜台風当日の夜について書いています。台風が直撃したときの様子や、危険に感じたこと、停電になった時の様子などが主な内容です。
台風翌日の朝〜停電が解消するまでについて書いています。
停電時に使った照明器具の紹介や、懐中電灯を少しでも明るくするための工夫、丸1日以上の停電で冷蔵庫の食材がどうなったかなどについて書いています。
台風は怖くない…と思っていた
まず始めに、近畿圏に住む私(地元は大阪、現・兵庫在住)が台風に対してどのような心構えでいたのかを、お伝えしておこうと思います。
台風の進路としてよくあるのが「沖縄・九州あたりに上陸、その後本州を北上し、近畿を通過」だと思います。この場合、台風は地元・大阪に来る頃には勢力がかなり弱まっていて、「ちょっと風が強いな」とか「ちょっと雨が強いな」くらいの強さになっているのがほとんどです。
近畿圏に住んでいて、台風中継で見るような暴風雨に遭ったことは一度もありません。
ですので、「(沖縄・九州から北上してきた)台風が近畿圏を通過する」と言っても、これまで危険を感じたことはありませんでした。「通勤で電車が遅れたら面倒だなぁ…」という心配をするくらいで、いつも呑気に構えていました。
台風前日(9/3)
今回の台風は沖縄・九州を通らず、近畿めがけて北上して来たので勢力は保ったまま。いつもより雨風は強くなるとは思っていましたが、それでもまだ「まぁ、大丈夫だろう」と呑気に構えていました。
私が通勤で使っているJR西日本が前日に運休計画を発表したので、9/4は会社の指示で仕事を休むことに。
「雨風が強くなると、スーパーに買い物に行けないなぁ」と思い、仕事帰りにスーパーへ行って、翌日の食材などを買っておくことにしました。
そして仕事帰り。行った時間が遅かったのか、台風に備えて買いだめした人が多かったのか、菓子パンや総菜コーナーはほぼ売り切れ…。
朝食用のパンだけは何とか確保できたので「少ないけど冷蔵庫に食材あるし、何とかなるやろ…」と思い、翌日のことはあまり気にせず家に帰りました。
台風当日(9/4)の昼間
JR西日本以外の私鉄各社も運休を発表していたこともあって、旦那さんの会社も休みになりました。
思いがけず休みになった…とはいえ、台風が来ることが分かっているので、さすがに不要な外出は避けていました。
◆穏やかな午前中
予報では台風が近畿を通過するのは昼過ぎ。
朝のうちはテレビで台風中継を見たり、スマホで雨雲の様子などをチェックしながら過ごしていました。
旦那さんが急に「もしもの時の為に、車のガソリンを満タンにしておく」と言って、午前中のうちに外出。その時私は「そんなに心配しなくても良いのでは…」と思っていました。
◆様子が急変した午後
台風が近づいてきた昼過ぎ。
徐々に風が強く吹き始め、外で何か物が倒れたり、転がる音(ごみ箱のフタっぽい)がしていました。雨もザァーッと降りだして「いよいよ台風が来た」といった雰囲気になってきました。
それから風がさらに激しくなり、今までに聞いたことがない「ゴォォー」という音が聞こえてきました。「結構激しいな…」と思っていると、テレビや蛍光灯がチカチカと点滅。
「あ…」と思った次の瞬間、テレビも蛍光灯もクーラーも止まってしまいました。時刻は午後2時ごろ。停電になってしまったのです。
旦那さんが玄関からそっと外の様子を伺っていたので、私も見てみると…
トタンが飛んできていたり、瓦が落ちて割れているのが見えました。瓦が飛ばされるほどの暴風なんて、今まで経験がありません。
そしてどこからか「パリーン!」とガラスの割れるような音が…
私はガラスが割れるような音を聞いた時に初めて、「暴風で何かが飛んで来たら窓ガラスが割れる」ということに気がつきました。
台風中継や動画などで暴風によって物が飛ぶところを見たことはあるのですが、実体験として無かったため、「そういう危険がある」ということに考えが及んでいなかったのです。
しかも窓ガラスが割れたら、愛猫たち(完全室内飼いの成猫2匹)が外へ出てしまう危険があることも、この時に初めて気がついたのです。
我が家の猫たちは2階にいので、私は慌てて2階へ。猫たちのいる部屋の窓には雨戸が無かったので、窓ガラスが割れる可能性がありました。
※ちなみに、あまり使っていない部屋には雨戸があって、普段から閉めっぱなしにしていました。
1階に居たときは分からなかったのですが、2階に上がると、あまりの暴風でわずかに家が揺れていました。
猫たちの部屋へ行くと、窓ガラスは割れていませんでした。
2匹をそれぞれキャリーケースに入れて、急いで1階へ避難。キャリーケースは緊急時すぐに使えるよう、普段から猫たちの寝床として出していたので、避難もスムーズにできました。
停電後、同じ市内の断水情報をTwitterで見かけました。
すぐに我が家の水道・ガスを確認。どちらも使えたのですが、もしこの後断水になってしまったらトイレが使えなくなって大変だと思い、急いで浴槽に水を溜めました。※
※我が家はお風呂に入る際はシャワーのみ使用なので、普段から浴槽には残り湯がありません。
飲料水については、十分な量ではありませんが避難袋にストックしていたのと、まだ水道が使える状態だったこと、断水になったとしても「たぶん一時的なものだろう」と楽観視していたので、あまり心配していませんでした。
◆被害状況を確認
しばらくすると暴風が止みました。
家の被害状況を旦那さんが確認すると「2階の雨どいが外れている」とのこと。一緒に見に行くと、確かに雨どいの途中部分が外れて垂れ下がっていました。
外れた雨どいを確認したとき、ちょうど向かいに工場があるのですが、その工場の窓ガラスが1枚割れているのが見えました。暴風のときに聞こえた「ガラスが割れたような音」は、工場の窓が割れた音だったのです。
何が飛んで来て窓が割れたのかは分かりませんが、改めて、家の窓が割れなくて本当に良かったと思いました。
※工場は台風で休業していたので、怪我をされた方は居なかったと思われます。
台風当日(9/4) 夕方
暴風が止んだ後は、激しく雨が降ったり止んだりを繰り返していました。
大阪・豊中市にある実家の様子が気になったので電話してみると、そちらも停電しているとのこと。しかも暴風で飛んできた小石で窓ガラスに穴が開いた※ということでした。
詳しく話しを聞くと、穴が開いたのは2重サッシにしていた外側の窓ガラスだけ。家族全員怪我はなく、実家にいる猫も無事だということだったので安心しました。
※後日実家に行った際に割れた部分を見たのですが、ガラスに1〜2cmほどの穴が開いていて、そこから四方に大きなヒビが入っていました。
それから会社の仲間ともLINEで連絡を取り合いました。みんな無事でしたが、停電しているのは私のところだけでした…。
◆少しずつ暗くなり始めた午後5時ごろ。停電は継続中
Twitterで被害状況を確認していたので、徐々にスマホの電池が減ってきました。
残りの電池が少なくなってくると少し不安になりましたが、モバイルバッテリーがあったので、ものすごく焦ることはありませんでした。
スマホとガラケー2台持ちなので、充電コードも2本持ちです。
モバイルバッテリーは、旅行用として結構前に購入していたものです。6月の地震以降は常に持ち歩き、充電もまめにしていつでも使える状態にしていました。
スマホ2回分ほど充電ができるモバイルバッテリーでしたが、いつ停電が解消するのか分からなかったので、なるべくギリギリまで使わないようにしていました。
台風当日(9/4) 夜
◆停電継続中
夜になってもまだ停電は続いていたので、家にあった明かり(懐中電灯やセンサーライトなど)を集めて部屋を照らしていました。
私が初めて停電を経験した「阪神・淡路大震災」の時は、これから朝を迎える時間帯で2時間程度だったのと、地震の揺れの恐怖の方が大きかったので、停電による不安などは感じませんでした。
今回の停電は、この時点で数時間が経過。
「すぐに復旧するだろう」と軽く考えていたのですが、Twitterで調べるほどに、今回の台風被害がかなり大きなものになっていると知りました。
そして「今日には復旧しない」というのが頭の中をよぎり、そこで初めて「停電したらどう過ごせば(対処すれば)良いのか」をあまり真剣に考えていなかったことに気がつきました。
◆晩ご飯を求めて
停電後、冷蔵庫を一切開けないようにしていました。なるべく冷蔵庫の冷気を保って、中の食材が傷まないようにするためです。
水もガスも使えるので自炊できる状態でしたが、冷蔵庫を開けられなかったので自炊はせず、食べ物を買いに行く※ことにしました。停電が長引くことを考えて、懐中電灯用の電池も一緒に買う予定もしていました。
※もしもの時に備えてパウチのおかゆや「inゼリー」など、いくつか非常用としての食べ物をストックしていたのですが、旦那さんはあまり気が進まないようだったので食べませんでした。
◆停電している地区、していない地区
外は街灯も消えているので真っ暗。
とりあえず食べ物と電池を買いに、大通り沿いにある最寄りのコンビニまで行くことに。
歩いていると、私たち以外にも懐中電灯片手に、どこかへ向かって出かけている人たちがちらほらいました。いつもの同じ時間帯だと出歩いている人はあまりいないので、私たちと同じように、食べ物や電池などを買いに行こうとしている人たちだったのかもしれません。
少し歩くと、道を挟んだ向こう側で電気が付いているマンションや民家が見えました。停電しているのは、付近一帯ではなかったのです。
大通り沿いのガソリンスタンドの所まで行くと煌々と明かりが付いていたので、「ここは停電していないんだ」と思ったら、発電機で電気を供給していました。
ガソリンスタンドには、給油のために車が何台も並んでいました。大混雑というほどではありませんが、いつもならそんなに並んでいないことを考えると、やはり停電の影響なのかもしれません。
私は免許を持っていないのでピンと来なかったのですが、車があれば「シガーソケット」からスマホの充電ができる(接続には機器が必要です)、車内のクーラーが使える、停電していない地域まで移動(買い出し)できるということなので、みんな給油に訪れていたのかもしれません。
大通り沿いの歩道からコンビニがある方向を見ると、ずっと向こうまで真っ暗でした。歩道では、電線が切れて垂れ下がっているところもありました。
どう考えても、このままコンビニに行っても無駄(そもそも台風だから休業だったかもしれませんが)ということで、停電していなさそうな地域を探してから出直すことに。
Twitterで調べると、最寄りの駅前は「停電していない」との情報を見つけました。
◆停電していない駅前
駅前はTwitterの情報通り、電気がついていました。
コンビニは営業していましたが、他の飲食店やスーパーなどは、台風に備えてもともと休業でした。我が家周辺は停電しているのに、駅前は普通に電気がついている…不思議な気分になりました。
コンビニに入ると、電池や菓子パン類は売り切れ。せめて電池だけでも確保したかったのですが…仕方ありません。
ふと見ると普通に営業している飲食店があったので、晩ご飯はそこで済ますことにしました。店内はクーラーが効いているので、涼しくて快適です。
台風当日の夜はそんなに気温が高くなかったので、クーラーが使えなくても一応大丈夫でしたが、やはりクーラーが使えると良いなぁと感じました。
◆停電は解消せず
ご飯を食べて家に帰っても、停電は続いていました。
旦那さんと「お風呂はどうしよう…」という話しに。
我が家のお湯は、電気で沸かしたお湯をタンクに貯めるタイプです。停電になるまでに作られたお湯がある程度タンクに貯まっていると思うのですが、新しく沸かせないので使える量に限りがあります。
我が家では、湯船につからずシャワーのみ使用の入浴スタイル。
停電前に貯めてあるお湯は、シャワーで使うとすれば1〜2日分くらいはあるはず(あくまで予想)。停電もそんなに長引くことはないだろう…と考えて、シャワーは我慢せずに使うことにしました。ただ、暗い中でシャワーは浴びにくいし、懐中電灯を濡れないように持ち込むにしても電池の消費は抑えたい…。
シャワーは翌朝、明るくなってから使うことにしました。
停電が復旧しないまま、4日が終了
水やガスは使えるし、家も無事…とはいえ、停電が解消せず先が見えない状態。
このとき初めて、地震や豪雨、台風などの災害で被災した人たちの「先が見えない不安」というものを、少しだけ感じました。
よろしければ引き続き、こちらもお読みください。
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